キューバンサルサの紹介1回目(踊り編)
- サルサ中毒
- 2022年6月9日
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更新日:2022年6月27日
キューバンサルサとは、キューバスタイルのサルサのことを指します。サルサが生まれた環境はキューバでしたが、キューバは50年以上も鎖国状態でしたので、世界への発信元はアメリカです。このような状況から、サルサにはキューバスタイルの他、LAスタイル、NYスタイルができました。アメリカ発祥のLAスタイルとNYスタイルは、西洋的な考え方の影響なのか、決まり事が明確です。一方、キューバンサルサは、キューバの地方ごとに踊り方が違います。日本でいう盆踊りのようなものです。いろいろなバリエーションがある中で、キューバンサルサの特徴と言えるものはなにか紹介したいと思います。
キューバンサルサの特徴とは自由度の高さです。サルサ自体が即興で踊ることが中心になりますが、リズムの取り方もバリエーションがあります。日本人は規律を重んじるので、キューバンサルサでもリズムの取り方を統一したがりますが、キューバ人は様々なリズムで踊っています。私たちは、スタンダードなリズムで踊っていますが、他のリズムを否定しない姿勢もキューバンサルサの特徴です。また、技(動き方)も様々あり、これ以外は「キューバンサルサではない」と言えるような輪郭が見えづらいです。つまり、自由度が高いのがキューバンサルサなのです。
キューバンサルサの特徴をもう少し詳しく見ていくために、LAスタイルとNYスタイルと比較したいと思います。LAスタイルの特徴は、1拍目にアクセントがあります。西洋音楽では自然なリズムの取り方です。一方、NYスタイルは、2拍目にアクセントがあります。NYスタイルの特徴はジャズのリズムです。実は、サルサが生まれる時期に、ジャズの文化はキューバにも入っており、混ざり合ってラテンジャズなどというジャンルもあります。そして、2拍目のアクセントはキューバ音楽にとって元々相性がいいのです。2拍目のアクセントの文化については別の機会に触れたいと思います。
一方、キューバンサルサはどこにアクセントがあるのか?「サルサ紹介」でパーカッション部門の中にサルサが属していると書きました。これが答えを導く鍵になります。サルサの音楽の開始は、8拍目です。これもアフリカの影響です。一拍目が強くない文化はアフリカ言語にも見られます。アフリカの地名である「ンゴロンゴロ」など最初にアクセントを置けませんよね。一拍目にアクセントがないアフリカ系単語は多いです。キューバンサルサのリズムをあえて言えば、8拍目のアクセントです。
しかし、サルサには8拍目にステップがありません。そこで、足を地面についたまま体を反転する動きでリズムをとったり、足を地面から離す瞬間にアクセントをとったりします。サルサ音楽は8拍目から始まるのに、サルサの踊りには8拍目はステップがないということがサルサの面白さでもあります。実は、サルサのステップの開始は7拍目になります。そこで、キューバンサルサでは7拍目にアクセントを入れることもよくします。また、男性がリードをする際には、1拍目にアクセントがあると女性はわかりやすいです。リードのため、1拍目にアクセントを入れることもよくします。また、パーカッションをよく聞くと、2拍目アクセントも不自然ではないです。つまり、音に乗るというのがキューバンサルサのアクセントの特徴だと思います。ただ、「音に乗る」というのは難しい道のりでもあります。キューバンサルサの踊りを極めようとすると、パーカッションを学ぶ人が増えていくという現象が見られるのは、こういった経緯だと思います。

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